蟹3

感想と怪文書

オートチェスの黄昏

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最近またオートチェスを少しプレイしている。
以前ハマっていたのが2019年の初夏頃だったと思うので、およそ1年半ぶりである。当時はもっぱら通称MOD版と呼ばれるバージョンをプレイしていたが、今は同じ開発が作った「オートチェス:オリジン」というやつをやっている。スマホ版としてリリースされたものが今年8月からEPIC経由でパソコンでも遊べるようになった。
「オリジン」は正直に言ってヴィジュアルが死ぬほどダサいし翻訳もゴミカス、今となっては日本人がほとんどいないため攻略情報も探しづらい。古い情報ばかり見つかって勘違いの元になるので下手に調べず自分の目でゲーム内で確認するのが最良っぽい。
それでもゲーム性はあの頃楽しかったMOD版とほぼ同じなので、ダサいことにさえ目を瞑ればとても楽しい。翻訳も最悪英語版でプレイすれば済む。新規駒や新規シナジーの追加、性能やスキルもめちゃくちゃに変わっているので最初から覚えなおす必要はある。いま50ゴールド利子そんなに大事じゃないらしい。とはいえナイトあたりの低ランク帯では昔の経験だけでもかなり勝てる。初心者狩り?俺だって初心者だもん。

madocrab3.hatenadiary.jp

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世間でオートチェスが最も流行っていた当時、流行りに乗じて色々な会社が各々のオートチェスを制作したけれど、少なくとも日本では一大ジャンルとして地位を確立した、と言えるほどにはなれなかった。RiotのTFTが一番頑張っていたと思うがそもそも土台のLoL人口に支えられている部分もあって、LoLをやらない知らない人にはあまり届かなかったように見える。「オリジン」もスマホで出た当初はTwitterで面白い!と言っている人が結構いたのに、今ではクイーン(最上ランク)行けました!みたいなガチ勢しかほとんど話題にしていない。海外ではどうなのか知らないがマッチングする相手は基本的にアジア諸国ばかりだ。アイコンに国籍が表示されている(正しいのかは知らない)が今まで日本人は1人しか見たことない。
俺自身もオートチェスというゲーム(ジャンル)から離れていたのであまり偉そうなことは言えないが、あんなに期待に満ちていたのに結局PUBGやらフォートナイトやらAPEX LEGENDSのようにいかなかったのがとても残念に思う。ゲームの性質上かるーくカジュアルに遊ぶには奥が深すぎたのかもしれない。10月にPS4版がリリースされ、Switch版も予定されているらしいが時すでに遅しと言うほかない。
攻略サイトのほとんどは昨年半ばから今年半ばにかけての間に更新が途絶えているものばかりだった。ぽつぽつと記事を書いている人はいるが、ほとんどはガチ勢によるガチ勢向けの記事で凡人にはあまり役に立たない。基本的に知識ゲーなのでゲーム内情報を網羅的にまとめてくれるサイトが使えないとやはり新規プレイヤーは入りにくい。サイトが止まったから人が減ったのか人が減ったからサイトが止まったのか。昔よく行ったゲームセンターを久しぶりに覗いてみたら廃墟になっていた、みたいな哀愁が切なかった。

とはいえ、どんなに日本で終わっていようとマッチングは爆速なので遊ぶには特に支障がない。攻略情報が少ないということは、自分の手で強くなれるという意味でもある。弊害があるとすれば翻訳が改善する見込みがゼロということくらいか。
たぶんここからオートチェスが日本で再興することは、どっかの売れっ子VTuberがドはまりするとかがない限り不可能だと思う。今更人に勧めようという気にもならない。まだオートチェスを盛り上げたい人がいたらすみません。それでもゲーム自体は楽しいので、なんというか誰も来ない森の中のオアシスみたいな気持ちでいる。