蟹3

感想と怪文書

FF14漆黒のヴィランズクリア(ネタバレなし)

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3つ目のFF14拡張パッケージ「漆黒のヴィランズ」メインストーリーをクリアしました。

結論から先に言うと最高でした。
ここでいう最高とは「夏サイコー!」みたいなすごいとかやばいとかいう意味ではなくて(そういう意味もある)「FF14史上“最”も“高”いクオリティのものをお出ししてきたな」という意味です。
正直に言うと、そこまで期待してなかったというか、いやもちろんとても楽しみにしてたんですけど、さすがにもう5年も6年もサービスやってたらそうそうキャリアハイなんて出せないじゃないですか。並みのゲームならとっくにサービス終了しててもおかしくないわけで。
それに最初の拡張「蒼天」がものすごくよくて、第二弾「紅蓮」がちょっと格落ちに感じてしまった(もちろん面白かったですが)という経緯もあって、まあだいたいこのくらいの面白さのものがコンスタントに出せるのがすごいよね、っていう雰囲気だった。
で、ふたを開けたら最高記録。すごい。本当に良かったです。


このゲームを最初から始めると、少し冒険を進めたところで暁の血盟っていう謎の秘密結社に参加することになります。今に至るまで彼らはヒカセンのよき理解者であり大切な仲間たちなんですが、ハッキリ言って最初の頃はなんか頼りなかったんですよね。何やってるかよくわかんねえし、実際戦うのはだいたいヒカセンだし。「君見込みがあるよ、うちの部に入らない?」つって部活勧誘されたと思ったら、一年生なのにいつの間にかエースで四番張ってるみたいな。みんな歴戦の猛者感を醸し出しておきながら、なんか情報をつかんできたからあとはお前が奴を倒すだけだ、みたいなことばっかりしてた。割と早い段階から「貴方の力に全てが懸かっているわ」みたいな扱いなんです。まあ確かにヒカセン強いからしょうがないんですけど。
そんな頼りない彼らも、蒼天紅蓮と進むにつれてまあそれなりに各々頑張って見せ場とか増えてきて、この漆黒に至ってようやく本当に肩を並べて戦える、あるいは背中を預けられるような存在になった気がします。フェイスでダンジョン攻略に連れていけるようになったのも大きいですけど、たとえフェイスがなくてもたぶん同じ感想でした。
漆黒もヒカセンの力に全てが懸かってる感は相変わらずではあるんですが、それに頼り切らないように懸命にもがく、一人一人が物語を持った生きたキャラになったなと思いました。

暁だけじゃなくて、結局今までの冒険ってだいたいがヒカセン一人で全部ねじ伏せて解決してきたと言ってもいい。もちろん実際はそんな単純な話じゃないですけど、なんかこう英雄ゆえの孤高みたいなのはゼノス君とかにも言われたような気がします。みんなのために戦っているのに、本当の意味では誰にも理解されない、的な。いや、個人的にはそんな人助けとかいうつもりはなくてただ報酬と戦いのために遊んでたらなんかみんな救ってたみたいな感じですけど、まあ一応シナリオとしては英雄ですので。
それが、今回の冒険ではヒカセンがやってきたことがまわりまわって返ってきます。これ本当に熱いんだけど詳しく書くとネタバレになっちゃう。今までOne for AllだったのがAll for Oneになる。散々英雄英雄と持ち上げられながら、なんかよく考えたら全部ヒカセンの肩に乗っけすぎじゃね、っていう問題?への一つの答えが出たのかなと。

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ほんとにちょっと書くとネタバレだからフワッとしたことしか言えないんだけど、こんなにも最高のシナリオだと感じたのは新生から今までの冒険があってこそなのかなとも思います。蒼天のときはまだそんなに長くやってなかったし、紅蓮はなんかドマとアラミゴの内輪の話だったんですけど、漆黒は第一世界という別の世界の戦いでありながら、なんかこう積み上げた重みがありました。それは、俺というプレイヤーのプレイ時間でもあり、ヒカセンNyan Manyaちゃんの冒険でもあり、アルバートたちの戦いでもあり、それら全部の重みです。
あいこめ*1に吉田がゲストで出た時、「漆黒リリース直前に登録アカウント数が過去最高になった理由は何だと思いますか」みたいな質問があって、うろ覚えですけど「特定の理由というよりは、スタッフもプレイヤーもみんなが今まで積み重ねたものの結果が今出てきてるのでは」的なニュアンスの回答をしてました。それはビジネスの数字の話ですけど、我々プレイヤーのゲーム体験に関しても同じことが言えるでしょう。
正直、けっこう突っ込みたいところとかちょっとおかしくねーかとか思う部分もありましたし、シナリオ以外の部分ではなんだかんだ不満もなくもないです。でもストーリークリアしたらそんなのどうでもよくなりました。それくらい良いものでした。過去最高のプレイヤー数を記録した、若葉プレイヤーの皆さんが最初にリアルタイムで遊ぶ拡張がこの漆黒のヴィランズであることを、いちプレイヤーとして誇りに思います。

*1:南條愛乃さんがFF14のことだけ話すラジオ。エオルゼアより愛をこめて