蟹3

感想と怪文書

ポケットモンスターソード 時を超えた俺

今回は怪文書ではなく普通の感想。ガラル旅行記の書き溜めは全て吐き出してしまったが記憶が薄れていくので続きが書けない。シナリオ部分をプレイしてる面白い動画教えて。

ピカブイはリメイク扱いとして除き、まともにポケモンを遊ぶのは第四世代以来になる。割と最近じゃろと思っていたら第四世代の発売日は2006年だった。言わば俺は14年の時を超えてポケモンと再会する浦島太郎なのだ。
当たり前だが、何もかもが俺の知るポケモンとは違っていた。どこでもボックスにアクセスできるとか、ひでん係が要らないとか、初めて入手したアイテムはTipsが出るとか、わざタイプの相性が表示されるとか、メニューの並べ替えができるとか、拾ったアイテムでガンガン金がたまるとか、細やかなプレイの快適さがすごい。別に今作で初めて追加された要素ではないのかもしれないが、浦島太郎には関係ない。浦島は五~七世代のプレイ動画はおろかゲーム画面のスクショすらほとんど見たことがないため、目に映るもの全てが新鮮だった。

ストーリーも、俺の知るポケモンとは雰囲気が違う。いつ謎の秘密結社との戦いに巻き込まれるかと思っていたのにそういう展開にはならない。エール団?どう見ても素人でしょあの人ら。今作で戦う相手はあまりそういう「悪役」らしさはなくマイルドな感じだった。良い意味で日曜日の朝やってるアニメみたいだなと思った。(日曜日の朝に起きていることなどないが)
チャンピオン後のへんてこ兄弟はちょっと蛇足だったかな。歴史がどうとかエネルギー問題がどうとかそれなりに真面目な雰囲気でやってたのに、急にコメディリリーフが出てきて混乱した。おまけエピソードかと思えばそうでもないらしい。散々嫌な奴を演じておいて一瞬で改心するのも半分ギャグみたいだった。その割に普通に強いしよ。ああいう連中は旅の道中にちょいちょい顔を出させて緩急をつけるのがお約束なんじゃないか。

中盤なにやら不穏な空気になったとき「大人に任せて君たちはジムチャレンジに専念しなよ」と言ってもらえたのはすごくよかったと思う。(結局巻き込まれることにはなるが)自分以外にも強くて頼りになる存在がいるんだ、という実感は世界に奥行きを与えてくれるし、単純にかっこいい。普通に遊んでいればNPCのトレーナーなんてチャンピオンだろうが何だろうが雑魚なんだけど、今回は手持ち2匹であらゆる敵を迎え撃ったので撃破しても「強い大人」のイメージがあまり崩れずに済んだ。しかも後半になればなるほど、「初めて見るしタイプも想像つかない」というポケモンがゴロゴロ出てきて非常にツラい戦いになった。
ジムリーダー達も昔のような単なる立ち絵がついた中ボスで終わっていない。四天王戦がジムリーダーのトーナメントになっていたのは驚いたが、「バッジ取得の時は本気ではなかった」という設定に説得力が増すいい演出だと思う。あのトーナメント組み合わせって固定なの?苦戦したほのおジムといわジムが別の山で敗退してくれて正直マジで助かった。うちの子たちは弱点がはっきりしているので…。

あまりにもストーリーのテンポが良すぎるのはちょっと微妙だったかな。ジム戦とジム戦の間隔が近く、しかもご親切に次の目的がメニューに表示されているので、素直に従っているとかなりトントン拍子に話が進む。初代でいうイワヤマトンネルとかシルフカンパニーみたいな、進行上避けて通れないダンジョンを苦労して突破しているうちに自然に強くなる、という場面がほとんどなかった。そういう経験値稼ぎは全部ワイルドエリアで自由にやってね、っていうことなんだろう。便利だがなんかちょっと旅してる感が削がれて嬉しくなかった。
まあ、多くのプレイヤーはクリア後のコンテンツのほうがメインだったりするわけで、そういう意味ではシナリオ攻略がコンパクトなのは良いことなのかもしれない。

完全に満足しきった感があるのだが、プレイ時間は20時間にも満たないのでちょっとフルプライスには見合わない。「愛するポケモンと旅をする」という経験がしたくて買ったわけだが(そしてそれは十分楽しめたが)、ゲームとしてはもうそういうのはコア要素ではないのかなあと思った。
あんまりやる気しないんだけど、これで終わるのももったいない。かといって何をすればいいのかもわからん。あの何とかタワーってやつをやってみればいいだろうか。