蟹3

感想と怪文書

大宇宙浪漫『ダイソンスフィアプログラム』

ダイソンスフィア。それは宇宙物理学者フリーマン・ダイソンが考案した架空の宇宙建造物である。恒星を囲い込んだ人工物でその圧倒的なエネルギーを利用する、というもの。超おおざっぱに言えば太陽光発電で太陽ぐるっと囲んだら最強の発電機じゃね?みたいな発想だと思う。実現はほとんど不可能なため、理論というよりはアイデアに近い。
そんなダイソンスフィアを自らの手で作り上げることができるゲームが『ダイソンスフィアプログラム』。

f:id:madocrab:20211002225057j:plain
最初期の工場

資源を集め、加工し、部品を作り、機械を作り、という流れを繰り返す。資源収集を機械化し、資源の運搬を機械化し、加工と製造も機械化して、生産規模をどんどん大きくしていく。
プレイに影響はないが一応世界観として、人々が意識を電脳化しサーバー上のバーチャル世界に籠るようになった結果、膨大な電力が必要になり、そのエネルギー源を探すという使命を帯びた主人公(の意識をインストールしたロボ)が未開の星系でダイソンスフィア建造を目指す、というやたら重めのストーリーがある。
研究というスキルツリーのようなものがあり、これを進めることで新しいものが作れるようになったり、ロボの性能が上がったりする。研究をアンロックするためにはマトリクスという謎の物体を大量に製造する必要があり、全6種のマトリクスを量産する体制作りがゲーム進行の主目的になる。

f:id:madocrab:20211002225137p:plain
ちょっとでかくなった工場

この手のジャンルのゲームは初めて遊んだが、評判の通り辞め時がまったくわからなくなる。ちょっと30分空いたからさっき作りかけた製造ラインを触ろうかな、と思って気が付いたら1時間経っている。勘弁してほしい。
プレイ20時間弱の現在、6種類のうち3番目の構造マトリックス生産レシピをアンロックし、初期星で産出されないチタン鉱石を求めて隣の衛星にごくささやかな出張所のようなものを作ったところである。星間輸送の設備はまだアンロックできていないのでチタンはロボのインベントリに仕舞って足で地道に運ぶしかない。構造マトリクスにチタンが必要でチタンは他所の星にしかないのに星間輸送は構造マトリクスを量産しないとアンロックできないの意地悪くない?
最終目標であるダイソンスフィアの建造は、一番小さな部品となるソーラーセイルを射出する装置を開発でき、試験的に数十個を宇宙へ送り出した。おそらく数万以上の部品が必要なのでスタートラインから小指がちょっと出た程度だと思われる。なお、ソーラーセイルには寿命があるのでそれまでに自動化しないとそのうち小指は引っ込む。
20時間でこの程度ならクリアまでいったいどれほど時間がかかるのかと気が遠くなりそうだが、ゲームが進めば開発生産速度は倍々に上がっていくので、流石に何千何万時間も必要ということはない。レビューを見る感じ100時間くらいやれば一区切りはつきそう。
とはいえ遊ぼうと思えばいくらでも遊び続けられる時間泥棒ゲームなのは確かである。何しろ生成される星々全てが開拓対象なのだ。今作っているダイソンスフィアが完成したら(するのか?)ワープ航法で別の星系にいってそっちで新たに建造を始めることだってできる。この異常なスケールのデカさは他の同系ゲームにない大きな特徴だろう。

f:id:madocrab:20211002225252p:plain
チタン出張所。星によって環境は様々。

まだアーリーアクセス中ながらバグも少なく、操作に不便もなく遊びやすいのも良い点。アップデートはまだまだ続いており、東京ゲームショーでも出展していて2022年に戦闘要素の追加を予定していると発表されていた。中国のインディースタジオが開発しているので、中国政府のゲーム規制でSteamから撤退したりしないかとちょっと心配したが今のところ大丈夫そう。
今月はAPEXランクマッチに忙しく来月後半以降はたぶんFF14で忙しいのでプレイ頻度が落ちそうだが、気長に進めていきたい。いつになったら完成するのだろうか。