蟹3

感想と怪文書

極寒シム - Frostpunk

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Epicで無料配布していた『FrostPunk』というゲームをやった。以前やまとん先生が配信でやってて気になっていたゲーム。色々とモードがあるらしいが最も基本っぽい「新しい家」というモードを難易度普通でクリア。死に覚えゲーとどこかに書いてあったが、2回目のトライでクリアできた。総プレイ時間は15時間ほど。

どんなゲーム?

戦争やら環境破壊やらで氷河期に突入し文明が破壊された地球。冷え切ったロンドンを脱出した人々は当てのない旅路の中、放棄された蒸気ジェネレーターを発見する。まだ動くその機械を囲むように人々は寄り集まり、新たな故郷を形作る。すべては生き延びるために。
システムや操作感はいわゆるシムシティのような街づくりゲームなのだが、極限状態のためとても自由な街づくりとは程遠い。発展させることが目的ではなく生き延びることが目的なので思いついたことをテキトーにやるとすぐ詰む。如何に限られたリソースを配分、利用していくかが面白いところであり難しいところ。
ゲームモードごとにシナリオがあるらしくて、特定のタイミングやトリガーでイベントが発生して(たいてい嬉しくない)、ある段階まで進んで最後のイベントを生き延びるとゲームクリア。
シムシティみたいに無限にいじくれるモードもあるっぽい。
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希望と不満

生き延びるのが目的と言っても、住民が全滅するような状況にはあまりならないと思われる。というのも、「不満」ゲージと「希望」ゲージという支持率みたいな指標があり、人々の不満爆発や希望喪失でプレイヤー(街の指導者)は罷免されて雪原に放り出されてしまうのだ。たとえ全員生存していたとしても。わがままな連中である。
とはいえ、そればっかり気にするのもよくない。初回プレイの際、ホームレスがいます!みたいなアイコンが出てるのでなるほどと言って家(というかテント)をポンポン建てたら、木材が足りなくなって木材を採取するための設備の数が足りなくて木材が足りないとほかの設備も作れなくて寒くてヤバくて気が付いたら街はボロボロ、という感じで坂を転げ落ちるように終わった。
このゲームには「木材」「石炭」「鉄」などいくつかのリソースがあるが、序盤はジェネレーターの近くに落ちてるやつを人力で掘り出すことになり、それらは一定数で枯渇してしまう。こんな-30度-40度の世界でみんなが快適な生活など不可能なので、(追放されない程度に)多少の不満を抱えながらもうまいこと生産体制を構築するのが大切っぽい。

極寒の世界

このゲームを象徴する特徴として「気温」の管理がある。ゲームスタート時は-20度、そこから時間が経つにつれどんどん下がっていく。1回最後までプレイすると-40度くらいは平熱(?)に感じる。寒いところに暖房を置いたり設備の断熱レベルを上げたりして温めてやらないと仕事ができないし病人が出る。が、暖房はとうぜん燃料消費が上がるのでその分石炭の採掘が追い付かず採掘施設を作るために木材が……と芋づる式に問題が襲ってくる。
時々、現行のジェネレーターレベルには厳しい寒波が数日だけ襲ってくることがあり、たとえそこそこ順調な暮らしができていてもその時は石炭がカツカツになったり病人が診療所からあふれたり楽しいことになる。途中でゲームオーバーになる場合はたいていこの寒波が引き金だと思う。
寒波が収まって気温が上がる(と言っても-50度が-40度になるだけだが…)と、嗚呼今日も生き延びることができたと神に頭を垂れる気持ちになるだろう。
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良かったところ

ほとんど常にギリギリの自転車操業なので気が抜けないが、その分切り盛りしている感が味わえる。資源を獲得するためには労働力が必要、労働力が増えると食い物が必要、食い物確保に人手を割くと資源獲得の人出が…、みたいなことを延々と悩みながらいい感じのバランスを探っていく。そういうのが楽しい人は絶対にハマる。
時には非人道的な選択もとらざるを得ず、優しいだけではうまくいかない。辣腕を振るってやろう。エンドロールでどういう運営をしたかが振り返りメッセージのように表示されるが、「お前病人見殺しにしたよな」とかなじられる。クリアしたのに。
操作中は上空から町全体を眺めていることが多いが、カメラを寄せるとけっこうディティールが細かくてスチームパンクな世界観と秘密基地的なごちゃごちゃした街並みが良い。また寒さの演出も凝っていて終盤は画面が凍り付いたかのようなエフェクトに身が震える。寒い時期にやればよかった。
この手のゲームは大抵そうだと思われるが、気が付いたら平気で休日が終わってるし平気で寝る時間過ぎてる。

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凝ってるだけあってフォトモード完備
良くなかったところ

一部建物の仕様などがチュートリアルを読んでもなおわかりづらく、初回プレイはそのせいでかなり無駄なことをしていた。死に覚えゲーとはいっても仕様がわかりづらいのはちょっと違うと思う。
自分はまだ1モードを1回しかクリアしていないが、おそらく大事なイベントは固定発生でやることが概ね一緒なのでクリアのための最適解がかなり明確に存在する。慣れたら作業ゲーになりそう。他の街づくりシム系のようにオリジナリティやクリエイティビティは発揮できない。(できるモードもあるのかもしれない)
気が付いたら平気で休日が終わってるし平気で寝る時間過ぎてる。

ぶっ続けでやったのでしばらくはもういいかなという感じだが、ほかのモードも気が向いたらやってみたい。シムシティも以前少しやったが、自分はゴールのあるこっちの方が好きかもしれない。Epicの無料配布期間はたぶん終わってるのでやりたかったら買え。