蟹3

感想と怪文書

趣味で勉強

11月に「色彩検定」という資格試験を受けた。合格した。
特に必要があるとか、今後使う予定があるとかそういうのは一切なく「ゲームばっかりしてるのもアレかな~」→「なんか本でも読むか~」→「試験があったほうがサボらずにできるな~」って感じでなんとなく申し込んだ。
資格、検定は山ほどあるのでどれを受けるか少し悩んだが、難易度が高くなく、それなりに面白そうで、近くで受けられる(意外とダメ)という基準で選んだ。

色彩検定はUC級3級2級1級の4つがあって、順番に取得する必要はなくどれでも好きな級をいきなり受験できる。今回の合格率はまだ出ていないが去年のを見るに1級でも4割、UC級に至っては9割近くと難しくはなさそうだ。
3級と2級を併願で受けた。本命は2級だが万が一落ちたとき手元に何も残らないのも癪なので滑り止め的に一応3級も受けといた。どっちも合格したので結局3級の受験料はどぶに捨てた形だが、まあよかろう。3級を勉強すること自体は2級の内容を理解するために有用なのでテキスト代は無駄ではない。

内容は意外と幅が広く、光の波長みたいな話から始まり、眼球の構造と色を感じる仕組み、分光分布やら分光反射率やら、色を見るときの心理、表色系という体系的に色を表すシステム、配色パターンの種類、あとは商品とかファッションとか住宅で色を考える時の知識、などなど。イラストや絵画のような芸術系よりも、プロダクト向けというか商業的な応用を見越した内容だったように思う。もちろんイラストにも応用できるだろうが、絵を描きたい人がぜひ取るべきかというと微妙。

勉強期間はだいたい1か月半くらい、土日のどちらか週1回で2,3時間勉強した。多めに見て合計20時間そこそこ。ちょっと舐めすぎかと思ったけど合格したのでヨシ。このうち3級は公式テキスト通し読み2回とたまに拾い読みで3時間くらい。残りの時間は2級のテキストを何回も繰り返し読み、2級問題集を1回やった。勉強と言いつつ基本は読書してるだけだった。せっかくノートと筆記用具用意したのに。

試験会場は50人超えるかなくらいの人数でおよそ8割が女性だった。制服着た高校生集団が複数いて、全体の平均年齢は20代前半ぐらい。おっさんはまあまあ場違い。少し年上の子たちは専門学校とかだろうか。学校単位で申込みして受けているのかもしれない。服飾とかデザインを志望する学生が今後のために取っておく、みたいな立ち位置の資格っぽい。言い方は悪いが、勉強にあまり縁のなさそうな子たちが多く受けてこの高い合格率なのでやはり難易度は低いと言える。正直3級に関しては中学(高校ではない)の期末試験のほうが難しいまであるので、興味があれば誰でも気軽に受けられると思う。

3級も2級も思考力が必要な問題はほぼなく、大半は公式テキストに書いてあることが表現を変えてそのまま出てくる暗記型試験。一部、色の慣用色名(琥珀色とかセルリアンブルーとか、JISで決められた色の名前)を答えさせたり、色が並べてあってこれはなんという配色パターンでしょうみたいな問題もあった。色や配色を覚えるのは今までの勉強ではなかった経験なのでちょっと面白かった。色の見分けはなかなかシビアで、この手の問題が多かったら合格率は下がりそう。色の印刷をキレイに出すためか高そうな紙を使ってたのが印象的。

配色センスとかよくなったらいいな~(ぼんやり)くらいの気持ちがなかったわけではないが、資格を取っただけではそんなに変わらないと思う。あくまでも「色彩とはこういうものだ」という知識を得るだけなので、それを膨大な選択肢に囲まれて実践できるかどうかは本人次第な気がする。センスがある人はそれを感覚で選び取れるわけで、センスがない人が知識だけを得ても追いつくにはいくらか経験が必要だろう。もちろん知識がないよりはあったほうが良いだろうけれども。
そもそも暇つぶしが趣旨なので今後の人生に活かせなくてもまあ別にかまわない。ゲームキャラの衣装選びにちょっとでも思い出せたら十分プラスだ。自分の服?外出ないもん。

勉強すること自体は、試験という締め切りの存在によって生活にいくらかメリハリが出たのでよかった。ただ、届いたテキストを流し読みした時点で「あ、これは楽勝やな」と悟って手抜きというか舐めた態度だったのも否めない。かといって難しい試験だとストレスが勝っただろうし、趣味でやるならこのくらいがちょうどいいのかもしれない。この程度の勉強時間でも普通にしんどいしお金もそこそこかかるのでしばらくはやりたくないが、面白そうな資格があればいずれまた受けてみたい。